ヨガアート®は、単なるアライメントメソッドではありません。
それは、個々の身体と心の声に耳を傾け、芸術のように繊細かつ大胆に人間本来の在り方を表現するための“生きた哲学”です。
始まりは決して派手ではありませんでした。
エクロールヨガの講師チームによる小さな気づきと、仲間内での対話から生まれた手書きメモ──それがすべての原点です。
「この指導法を言葉にして残してほしい」「私たちにもその感覚を伝えてほしい」
そんな生徒たちの声が講師陣を動かし、医師、理学療法士、ダンサー、声楽家、僧侶、AI開発者など、多分野の専門家と協働しながら、可視化と体系化が進んでいきました。
最初の10年間は、試行錯誤と検証が繰り返され、現在のヨガアート®の形へと成熟していったのです。
ヨガアート®の根底には、講師陣それぞれの人生経験があります。
中には、厚生労働省に勤務し、国会対応や政策立案に携わっていた者も在籍しており、法律や制度に対する深い理解と、社会的視点に裏打ちされた知見が指導内容に厚みをもたらしています。
その実績と専門性は、講座の信頼性や現場での実践力にも反映され、幅広い受講生から支持を受けています。
瞑想を幼少期から生活の一部としてきた者、平和活動や国際交流に深く関わった者、身体表現や芸術活動を通じて自分を磨いてきた者。
それぞれの感受性と探究心が交差し、唯一無二のアプローチを生み出しました。
1999年には、講師陣の中にアートセラピーを学び実践していた者が現れ、その手法が指導に取り入れられるようになります。
色や動き、音といった感覚的アプローチが心身の深層に作用し、ヨガの効果を高めることを体感。
この経験を通して、ヨガと芸術療法を統合する新たなメソッドの可能性が本格的に探究されました。
ヨガアート®における感性と表現の重視は、この時期の実践に深く根ざしています。
当時の活動母体は、呼吸法・瞑想・ダンス・アートセラピーなどを総合的に指導するカルチャースクールでした。
ここで培われた表現力と身体性への理解、そして日々の実践が、のちのヨガアート®の礎となります。
2010年には、その活動を体系化し、専門性を高めるために「エクロールヨガ」としての歩みがスタートしました。長年育まれた知見と哲学を基盤に、ヨガインス
トラクター養成を中心とした本格的な教育活動が始まりました。
2011年、講師チームは既存のポスチュラルヨガのアライメント理論から離れる決断をします。
従来の「この角度が正しい」「このラインが理想」といった見た目重視の指導ではなく、“本当に大切なのは内側から感じる快適さではないか”という問いに向き合ったのです。
ある生徒の「形は合っているって言われるけど、ずっと呼吸が苦しいままなんです」という声がきっかけとなり、外見的な美しさよりも、内的な安心と快適さに重点を置いたオリジナルメソッドの開発が始まりました。
感覚と解剖学、哲学と臨床知見を繋ぐこの取り組みは、国内外の医師や専門家との対話の中で時間をかけて磨かれていきました。
このメソッドは当初、伝統的なアライメントからの逸脱と見なされることもありましたが、痛みや制限を抱える人々に大きな変化をもたらしたことで、次第に信頼と関心が高まっていきます。
特に2016年以降、ヨガアート®の原則とトラウマインフォームドケアが正式に教育体系の中核に組み込まれたことで、医療や教育分野への応用が進展しました。
近年の講座では、受講生の9割以上が医師・歯科医師・看護師・理学療法士・作業療法士・薬剤師・歯科衛生士といった医療従事者で構成される期もあり、専門職の現場からも強い信頼が寄せられています。
リトリート合宿によるヨガインストラクター養成も本格化し、現在では47都道府県すべてに卒業生が存在。
インドネシア、オランダ、韓国、タイ、中国、フランス、ベトナムなど海外からの参加者も少なくありません。
今では、卒業生の一部はRYS200(ヨガアライアンス認定校)としても活動しています。
エクロールヨガは、コツコツと長年歩みを重ねてきた教育機関です。
前身のカルチャースクール時代から、呼吸法・瞑想・アートセラピー・身体表現を柱とした実践を通じ、多くの学び手と教育現場を築いてきました。
その教育哲学は、技術の伝達にとどまらず、受講者の人生そのものに変容をもたらす“人間教育”であることを重視しています。
時代に応じて進化しながらも、核となる価値観は常に変わらず、卒業生の人生に深い影響を与え続けています。
また、私たちはヨガ指導者が精神的にも経済的にも自立できるよう、eラーニングと対面研修を融合した実践的な教育モデルを整えています。
さらに法的知識の重要性にも着目し、顧問弁護士による法律講座なども実施。
インストラクターが安心して活動を継続できるよう、多角的な支援体制を整えています。
プロフェッショナルとして長く活躍し続けるために必要な知識・哲学・セルフマネジメントの力を育むことが私たちの使命です。
近年では、国内での実績を重ねる中で、海外の教育機関や専門家からも関心が寄せられるようになり、国際的な場面でもヨガアート®の可能性に目が向けられつつあります。
実践と対話の積み重ね、さまざまな意見や視点を受けとめながら築かれた信頼、そして何よりも“人と人とのつながり”によって、このメソッドは進化し続けています。
『ヨガアート®』それは、すべての人が自らの身体と心の調和を取り戻し、人生を芸術のように自由で力強く創造していくための、新たなヨガの道です。