「RYT200の次はRYT300?」
「RYT300という資格を取得するとRYT500になる?」
ヨガ資格について調べていると、「RYT300」という表記を見かけることがあります。
しかし、2026年現在、Yoga Allianceの正式な教師credentialとして「RYT300」は存在しません。
存在するのは、
RYS300(Registered Yoga School 300)
という300時間の上級teacher trainingを提供するスクール側のcredentialです。
Yoga Allianceの教師credentialにはRYT200やRYT500などがありますが、300時間trainingを修了した教師に対して「RYT300」というcredentialが付与される仕組みではありません。Yoga AllianceはRYS300を、RYS200レベルの基礎を発展・深化させる300時間のadvanced trainingとして位置づけています。
では、一般に「RYT300」と呼ばれているものは何なのでしょうか。
この記事では、
RYT300・RYS300・RYT500の違いを2026年現在のYoga Alliance公式基準に沿って整理します。
目次
結論|「RYT300」という正式credentialはない
最初に結論を整理すると、
RYT300=Yoga Allianceの正式な教師credentialではありません。
Yoga Allianceには、
RYT200
RYT500
E-RYT200
E-RYT500
などの教師credentialがあります。
一方、300時間について存在するのは、
RYS300=Registered Yoga School 300
というスクールcredentialです。
Yoga Alliance公式のcredential制度でも、RYS300は「200時間の基礎教育を発展させるadvanced 300-hour training」として案内されています。
そのため、日本でよく見かける、
「RYT300取得講座」
という表現は、厳密には、
「RYS300で300時間の上級teacher trainingを修了する講座」
という意味で使われている場合が多いと考えると分かりやすいでしょう。
RYT・RYS・300・500の関係
まず名称を整理します。
| 名称 | 正式名称 | 対象 | 意味 |
|---|---|---|---|
| RYT200 | Registered Yoga Teacher 200 | 個人 | 200時間training修了後に登録する教師credential |
| RYS200 | Registered Yoga School 200 | スクール | 200時間基礎trainingを提供する登録校 |
| RYS300 | Registered Yoga School 300 | スクール | 300時間advanced trainingを提供する登録校 |
| RYT500 | Registered Yoga Teacher 500 | 個人 | 所定の500時間training+指導経験を満たした教師credential |
| RYT300 | ― | ― | 正式credentialとしては存在しない |
この表を理解すると、「RYT300」という言葉で混乱しにくくなります。
RYS300とは?
RYS300は、
Registered Yoga School 300
の略です。
Yoga Allianceに登録された、300時間のadvanced yoga teacher trainingを提供するスクールcredentialです。
Yoga AllianceはRYS300について、RYS200で一般的に扱われるヨガ実践・指導の基礎概念をさらに深め、より高度・詳細・微細な原理や技法を学ぶtrainingと説明しています。
つまり、
RYS200=基礎
↓
RYS300=その基礎を発展させる300時間training
という関係です。
ただし、RYS300というスクールが必ずRYS200も運営している必要はありません。Yoga Allianceでは、RYS300だけを提供する登録スクールも認めています。
300時間trainingを修了すると何になる?
ここが最も重要です。
RYS300の300時間trainingを修了しても、
「RYT300」というYoga Alliance credentialになるわけではありません。
RYT500を目指す代表的なルートの一つとして、
RYS200で200時間修了
+
RYS300で300時間修了
という組み合わせがあります。
合計すると500時間です。
Yoga AllianceではRYT500について、
RYS500で500時間trainingを修了する
または、
RYS200の200時間+RYS300の300時間
のどちらかでtraining requirementを満たせるとしています。
つまり、
200時間+300時間=500時間training
となり、その先にある教師credentialがRYT500です。
RYT500になるには300時間受講だけでは足りない
ここも誤解されやすいところです。
例えば、
RYT200登録済み
↓
RYS300の300時間講座修了
となったからといって、それだけで必ずRYT500登録が完了するわけではありません。
Yoga AllianceのRYT500にはtraining requirementに加えて、少なくとも100時間のヨガ指導経験が必要です。
現在の公式基準では、
RYS200またはRYS500のtraining修了後に100時間以上のteaching experience
が求められています。
したがって、
200時間training
+
300時間advanced training
+
100時間以上の指導経験
を満たし、Yoga AllianceへRYT500登録を申請する、という考え方になります。
「RYT300を取ればRYT500」は少し不正確
よくある説明に、
「RYT200を持っている人がRYT300を取るとRYT500になります」
があります。
意味としては大きく外れていませんが、制度上は少し不正確です。
より正確には、
RYS200で200時間trainingを修了した人が、RYS300で追加300時間trainingを修了し、RYT500に必要な指導経験などの条件を満たすことでRYT500へ登録できる
となります。
RYS300では何を学ぶ?
RYS300は、単にRYT200の内容をもう一度300時間学ぶものではありません。
Yoga Allianceは、RYS200レベルで学んだ基礎をさらに深めるadvanced trainingとして位置づけています。
現在のRYS300基準では、300時間trainingを次の5つのEducational Categoriesで構成します。
| 教育カテゴリー | 最低時間 |
|---|---|
| Techniques, Training and Practice | 50時間 |
| Teaching Methodology | 5時間 |
| Anatomy and Physiology | 15時間 |
| Yoga Philosophy, Lifestyle and Ethics | 30時間 |
| Practicum | 30時間 |
| その他、各カテゴリーに配分 | 残り時間 |
300時間すべてをこれらYoga AllianceのEducational Categoriesに関連するtrainingとして構成します。
Techniques, Training and Practice
最低50時間が設定されています。
内容としては、
- アーサナ
- プラーナーヤーマ
- クリヤー
- チャンティング
- マントラ
- 瞑想
- その他の伝統的ヨガ技法
などが例示されています。
重要なのは、単に実践するだけでなく、
どのように実践するか
どのように教えるか
を分析的に学ぶことと、実際のguided practiceの双方が求められている点です。
Teaching Methodology
最低5時間です。
例えば、
- グループダイナミクス
- 時間管理
- 境界設定
- 個人や特定集団への対応
- デモンストレーション
- 観察
- アシスト
- 教え方のスタイル
- 学習者の学び方
- ヨガ指導のビジネス面
などが例として示されています。
Yoga Allianceは、RYS300ではRYS200で扱った内容より一段進んだ指導方法を扱うことを求めています。
Anatomy and Physiology
最低15時間です。
身体の解剖・生理だけでなく、
実際のヨガ実践へどのように応用するか
が重要です。
Yoga Allianceでは、身体構造・生理機能、healthy movement、contraindicationsなどのほか、chakraやnadiなどのenergy anatomyも扱いうる領域として示しています。
また15時間のうち最低10時間は、解剖生理学をヨガへ応用する内容でなければならないとされています。
Yoga Philosophy, Lifestyle and Ethics
最低30時間です。
RYS200より深いレベルで、
- ヨーガ・スートラ
- バガヴァッド・ギーター
- ハタ・ヨーガ・プラディーピカー
- アヒンサー
- ダルマ
- カルマ
- 教師と生徒の関係
- ヨガ教師としての倫理
- seva
などを扱うことが例示されています。
したがって300時間trainingは、
「より難しいポーズをたくさん学ぶ上級講座」
というだけではありません。
ヨガ哲学や教師倫理、指導方法などについても、200時間trainingより深く学ぶことが想定されています。
Practicum
RYS300では30時間のPracticumが設定されています。
内容には、
- 実際の指導練習
- フィードバックを受ける
- 他者の指導を観察する
- 他者へフィードバックする
- 指導者の補助をする
などがあります。
さらにYoga Allianceの基準では、各受講者が少なくとも5時間はlead instructorとして実際にpractice teachingを行うことが求められています。
RYT200修了後にさらに300時間学ぶ意味の一つが、こうした指導力を実践的に深めることにあります。
RYS300はオンラインでも受講できる?
2026年現在、Yoga AllianceはRYS trainingについて、
100%対面
100%distance learning
両者の組み合わせ
を認めています。
ただし、全時間を録画教材だけで学習すればよいわけではありません。
現在の基準では、training時間の最低15%をsynchronous形式で実施する必要があります。
RYS300の場合、300時間の15%なので最低45時間です。
synchronousとは、オンラインであっても講師と受講者が同時に参加し、リアルタイムにやり取りする形式です。
そのため、300時間講座を選ぶときには、
「オンラインか対面か」
だけでなく、
録画学習・ライブ授業・実技・指導練習・フィードバックがどのように設計されているか
を見ることが重要です。
RYT200を取得していないとRYS300を受講できない?
ここは、
Yoga AllianceのRYT500登録条件
と、
各スクールの受講条件
を区別する必要があります。
Yoga AllianceはRYS300を、200時間レベルの基礎的なtrainingを発展させるadvanced programとして位置づけています。
一方、RYT500の通常ルートとして300時間trainingを利用する場合には、
RYS200の200時間training
+
RYS300の300時間training
という組み合わせが必要です。
実際にRYS300へ入学できる条件については、各スクールが独自に設定している場合があります。
したがって、
「RYT200登録済みでなければ世界共通で絶対に受講不可」
とまで言うのは適切ではありません。
自分の目的がRYT500登録の場合は、自分の200時間trainingがYoga Allianceの要件を満たしているかも確認しましょう。
RYS300とRYS500の違い
ここも混同しやすいところです。
RYS300
200時間レベルの基礎を修了した人向けの追加300時間advanced trainingを提供するスクールcredential。
RYS500
基礎200時間+発展300時間に相当する500時間の包括的trainingを提供するスクールcredential。
Yoga AllianceのRYT500は、
RYS500で500時間
または
RYS200+RYS300
のどちらのtraining routeでも目指せます。
したがって、
| 受講者の状況 | 一般的な選択肢 |
|---|---|
| RYS200の200時間をすでに修了 | RYS300の300時間を追加 |
| これから0から500時間学びたい | RYS500の500時間training |
| 200時間とは別のスクールで発展学習したい | 別のRYS300も可能 |
なお、200時間と300時間は同じスクールでなくても構いません。それぞれのスクールが有効なRYS designationを持っていれば、RYT500のtraining requirementとして組み合わせることができます。
300時間trainingを受ける意味は?
「RYT200を持っているなら、それ以上資格を増やす必要はないのでは?」
という疑問もあります。
300時間trainingの価値は、
「RYT500という上位credentialを取ること」だけではありません。
RYS300自体が、RYS200レベルより高度・詳細・微細なヨガ実践と指導を学ぶadvanced trainingとして設計されています。
例えば、
アーサナを知っている
↓
なぜその方法で指導するのかを考える
シークエンスを作れる
↓
対象者や目的に合わせて設計する
ヨガ哲学を知っている
↓
原典や思想をより深く理解し、自分の実践・指導との関係を考える
というように、学習の段階を進めることができます。
RYT200を「入口」とするなら、300時間trainingはその先の継続教育を体系的に行う一つの方法と考えられます。
「RYT300」と書いてあるスクールは間違い?
必ずしも、そのスクールの教育内容まで間違っているという意味ではありません。
日本では、
「RYT200取得後に受ける300時間講座」
を分かりやすく「RYT300」と呼ぶケースがあります。
ただしYoga Allianceの正式なcredential名称としては、
RYT300ではなくRYS300
です。
受講生側も、
「RYT300という資格をもらう」
のではなく、
「RYS300の300時間trainingを修了し、RYT500を目指す」
と理解しておくと制度上の混乱を避けられます。
RYT300・RYS300についてよくある質問
RYT300という資格はありますか?
Yoga Allianceの正式な教師credentialとしてRYT300はありません。300時間trainingを提供するスクールcredentialがRYS300です。
RYT200の次は何ですか?
教師credentialとしては一般的にRYT500があります。RYT500を目指す一つのルートが、RYS200の200時間にRYS300の300時間を追加する方法です。
RYS300を修了すればRYT500になりますか?
training requirementとしては500時間になりますが、RYT500登録には別途100時間以上の指導経験要件があります。登録申請も必要です。
RYS200とRYS300は同じスクールでなければいけませんか?
いいえ。Yoga Allianceは、それぞれが有効なRYS designationを持っていれば、200時間と300時間を異なるスクールで修了するルートを認めています。
RYS300はオンラインでも受講できますか?
可能です。Yoga Allianceでは100%distance learningも認めていますが、RYS300では最低45時間のsynchronous trainingが必要です。
300時間trainingでは何を学びますか?
Yoga Alliance基準では、Techniques, Training and Practice、Teaching Methodology、Anatomy and Physiology、Yoga Philosophy, Lifestyle and Ethics、Practicumの5領域を扱います。
「RYT300」ではなく「RYS300の300時間training」
ヨガ資格について調べる際には、
RYT200
↓
RYT300
↓
RYT500
という3段階の資格制度があるように見えることがあります。
しかし、Yoga Allianceの正式制度はそうではありません。
より正確には、
RYS200で200時間training
+
RYS300で300時間advanced training
=
RYT500を目指すための500時間training
という関係です。
そしてRYT500登録には、trainingだけでなく100時間以上の指導経験も必要です。
したがって「RYT300」という言葉を見かけたときは、
これは300時間のadvanced trainingを意味しているのか?
そのスクールはRYS300なのか?
修了後にどのYoga Alliance credentialへつながるのか?
を確認するとよいでしょう。
RYT200については、「RYT200とは?取得条件・学ぶ内容・Yoga Alliance登録まで解説【2026年版】」をご覧ください。
RYT500の取得条件や200+300時間ルートについては、「ヨガ資格RYT500とは?取得条件・RYT200との違いを解説【2026年版】」で詳しく解説しています。