1-16 tatparaṁ puruṣakhyāterguṇavaitṛṣṇyam
तत्परं पुरुषख्यातेर्गुणवैतृष्ण्यम्॥१६॥
その最高はプルシャを十分に理解することによりグナに無欲になった時達成する
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究極のvairāgya वैराग्य 離欲(無執着)についての説明です。
その(離欲の)究極とはプルシャ puruṣa पुरुष と プラクリティの識別の理解(悟り)によりグナ guṇa गुण (全ての現象を構成するエネルギー) に対しても無欲になった時に達成する。
グナは本当の自分プルシャ以外すべて。
人生の上で体験したことも見たことも聞いたことも執着せず拘りが無くなった状態が離欲。グナに対して無欲になった時を究極の離欲だと説明しています。
ここでの考えは、私たちの観ている人生は3つのグナ(サットヴァ sattva・ラジャス rajas・タマス tamas)で構成されたプラクリティで、人生は宇宙のエネルギーであるということも分かります。
全て「自分の」ものという考えは思い込みで、執着であると考えます。
思い込み、幻影から気づき、この肉体、心が「自分の」ものではないこと、「私の」人生ではないこと、プルシャとプラクリティを識別する能力が得られグナに対する離欲に至るときヴァイラーギヤが成立するという説明です。
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毎日の生活の中では色々なことに五感が振り回され惑わされます。
このような識別を、心乱される私たちにYogaはアドバイスしてくれていると思います。
心が揺れてどうしようもないとき、落ち着いて識別します。
過去の経験を頭の中で反芻し思い込まされていないか?
未来をマイナスに想像して自ら不安をつくっていないか?
不変のものがあると思い込んでいないか?
心や体が「自分」だと思っていないか?
「変えない」「変わらない」ということに執着していないか?
少し落ち着いて識別する癖をつけることで思い込みや妄想からの不安や苦しみから解放され自由を少しずつ取り戻せるのではないでしょうか。